DIVING

オープンウォーターへの道

2003年、ひげの決心

B_g_p_0027.jpgども〜シーサーボーイズです。米子焼き工房出身です。最近は世田谷のお店なんかにも出没中。

最初の行き先は全然違うところ。

 春休みの旅行でオーストラリアに行くはずが、イラクで戦争が始まりそうだとかで海外事情が思わしくない。そんで、どうしようかということになり考えに考えた末、前年の9月に行ったばかりだったけど、石垣島のクラブメッドに行くことにした。みんな頭の中は旅行モードだったし、どこか行かないとモヤモヤしそう。石垣島はもうすでに海開きはすんでいるし、日程の予約は取れちゃった。んにょ〜し石垣牛だーっ!


結局、石垣牛にはありつけなかったけど、やっぱり石垣の海はすばらしかった。さすがに水温はチョイ低め、少し風が吹けば濡れている体にとり肌がたつ。しかし、いったん陽が射せばそこは南国、暑い!3泊4日の行程はあっという間に過ぎて行き、私たちはあっという間に東京に戻ってきた。そして、自宅に戻ってからというもの3日間、私はほとんど喋ることなく、ずーっと何かを考えていた。何かを


 石垣に着いたその日、海を見ればうれしくて走り出したくなるひげご一行は、チェックインもそこそこに、サッサと水着に着替えてビーチへと走り出す。今朝は早起きして飛行機に乗り、ここまでたどり着くためにかなりの時間を使っていて体も心もヘトヘトなはずなのに、短い日程なんだからそんなことは言ってられない!とばかりに海に入る。入ればすぐそこに、南国の魚がうようよしているのがこの石垣の海なのだ。

おーりと〜り。(いらっしゃ〜い)

この原色のきれいどころの魚たちは、これでもここいらではよく見るタイプのいらっしゃい係。しかし、「南国の青い海」が珍しい、日程の短いせっかちな旅人にとっては何を見てもどこを見ても、うれしくてたまらない。
IMG_5111.JPG魚に足をかじられるなんて。結構、ショック。シュノーケルをくわえたまんまその感動を喋るので、先っぽの方からワーキャー大声が聞こえてくる。それは何も自分だけではない。よく聞くと、あっちからこっちから、シュノーケルの先の出たとこほとんどから、大声が「しゅごっしゅごっ」という音と共に聞こえて来るのだ。そしてその大声は、波打ち際になるほど増える。初心者は沖には行かないのだ。

 今回ひげは、新アイテムを持ってきた。それは水中カメラ。使い捨て2000円。後に、デジカメをハウジングに入れて本格的に水中写真を撮ることになるなんて、この時はまだまだ思いもつかない。使い捨てで充分にうれしい。試しに一枚撮ってみる。いい感じ。


そして、ひげは一匹の青い魚を追いかけて知らぬ間に沖へと泳ぎ、これまた知らぬ間に落としたカメラを探し回ることで、さらに沖に流されていたのであった。

思ったよりも随分浜は遠かった

 海面に顔を出したとき浜は正直、案外近くに見えた。しかし、ここが海の恐いところ。泳げど泳げど浜に着かない。ちっとも、近づかない。思ったよりも随分浜は遠かったのだ。空は夕暮れ一日の疲労がたまってピークになる時間帯、旅行者ならなおさらだ。しかしとにかく泳がなければ。泳ぎ切ってあそこに戻らなければ。パニックは堰を切ったようにやって来るだろう。その臨界点がすぐそこにやって来ている。堰を切る前にどうにかしなきゃ、だ。ひげ、必死に慣れないフィンを動かす。

 ああ・・・つっちゃった、足つっちゃった。おまけにさっきのいらっしゃい係が足をかじっていく。くそ〜〜!くやしいよう、こわいよう、泣いちゃうようぅ。それどころじゃない。もう力が残ってない。赤ラーンプ。体は1キックごとに石のように重くなり、ズブズブと海に沈む。

 「し・し・し・しんじゃうよおおぅぅぅ〜〜!」

 もうダメだと思った瞬間、目の前に真っ赤な物体が。光を放ち、満面の笑みをたたえた大黒様とエビス様。かすかに鈴の音が聞こえてくるようだ。神様達の舞い踊る歓喜の声がこだまする。夢のような声が・・・・。

 ハッ!違う!これはメッドの無料貸し出しのカヌーじゃないか。乗っているのは、客の親子連れ。しっかりしろ自分!しかし、ピンチのひげにとってこれってまさしく神様仏様!

「だ、助けてください。」

 なんで、漢字なのかというと”助けてください”のところは冷静を装ったのだ。海面上は冷静。海中はもう、ジタバタの心臓バクバク。
カヌーは気付き、ひげのところにやってこようにも下手くそで思うようにやってこれないふう。ひげの冷静は続いたが、とうとう「だ、だ、だ、だじげでぇぇ〜〜〜〜〜っっ」
語尾を叫んだと同時かまたは寸前、はっしとカヌーをつかんだ左手。


ぜぃぜぃ・・・ほんとぜぃぜぃだ。言葉もでない。

「だーいじょーぶですかー」そのまま大黒様のカヌーに引きずられ、寸でのところでひげは命びろいしたのでした。

 さて。自宅でだまりこくって3日目。ずーっと何かを考えていたふうのひげが、その重い口をひらいた。「ダイビングがやりたい。」後に友人から「なんで溺れ死にそうになってそういう考えになるかな」と言われた。たしかに。ごもっとも。なぜならば。私は海を甘く見ていた。何よりこのことが恥ずかしくてならなかった。海のことについて、こんなにも無知すぎる自分だ。今の私が海に出て行けば、ただただ、その大きさに翻弄されてボロボロになってしまうだけだ。しかし。なぜにもあんなに海というものは、大きく、青く、そして強いものなのか。文明の利器を借りて、ここはひとつ、この未知なる世界、海中を旅してみたい。こうして私ひげ、窮鼠猫を噛む状態でダイビングライセンス取得を決心したのでありました。

何よりの大失敗は浮かれポンチで海に入っただけではなくライフジャケットを着てなかったということだったなぁ・・。(クラブメッドは無料でライフジャケットを貸し出ししてます)今思い出しても息が苦しくなる。やはり水に入るときは子供の頃そうだったように、または子供にはそう教えてるはずの”体調と相談、準備運動”そして”浜と平行に泳ぐ”ということ。泳ぎに自信があるならともかく、ね。お魚ウオッチングに夢中になっていても何度も水面に顔出して周りをよく見なきゃと思います。