DIVING

オープンウォーターへの道

海洋実習2日目、中性浮力はムズカシイ。

P3300031.JPGまるで、小イヌかなにかのように師匠に必死に付いていく。

マイペースで一人でも楽しめる、という性格は「あの人」譲り。

 今日も朝からいい天気だ。しかし、夕方には雨が降り海も時化そうだ、と師匠はいう。海の男の天気予報。午後の海・・・どうなるのだろう・・・。

 海洋実習も2日目にして、最終日の本日。
うまくいけば今日、ひげにはダイビング解禁”オープンウォーターダイバー”の資格が与えられる。あと半分。あと半分頑張れば、この鬼師匠の鬼特訓からおさらばだ。力がみなぎる。全身に。ひげは自分の中にあついあついものが沸き立ってくるのをかんじていた・・・

やるじょー!


そんな時だ。
あの、母から非常にトンチンカンな内容の電話が入った。

 母。心配だったからか、単に来たかったのか、沖縄で合流し一緒にやってきたひげの、母。そんな母は、ひげが講習でいない間なにをしているかというと、クラブメッドでオプショナルツアー三昧の日々を送っていた。今日は石垣焼きに挑戦するという。

 さっきの母からの電話というのは「母のトンチンカンな行いをメッドのフロントがわざわざこのシーマンズのフロントを経由し、マリンスタッフの事務所に連絡してきて、ひげが呼ばれた」というのが正しい。

 眺めのいい部屋に変えてもらうにあたって、移動先のカギをもらったが移動元のカギももらっていった、というほんとによくわからない内容。こんな時に・・・ううう・・・(後日このひげの母のことについては、たっぷり時間をさいて書こうと思います。「時代をつくった女。ひげの母」おそらくタイトルは・・こうです。)

 早々に電話を切り、気を取り直し、器材をセッティングし、乗車。
師匠の運転するトラックは、またこの道を今日も転がるように走り抜ける。水深12メートル。本日の予定最大深度だ。

女は脂肪とウエットスーツで身を守る。

 ひげが、今回の講習で使用した器材は全て、シーマンズクラブリゾートホテルで用意してもらったレンタル。着用したウェットスーツは厚さ5ミリのフルスーツといわれるもの。長袖で、足はくるぶしまである。師匠の着てる物を見てみると、プロ仕様素材のまっ黒ウェット。半袖。

 5月に入り、水温も平均26〜7度というだけあって半袖でもいいのだろうが、ひげのように初心者でしかも寒がりとくれば、真夏でも5ミリのフルスーツだな。陸ではサウナスーツ化するけれど。実際、後のダイビングで水温30度のときにも5ミリフルスーツを着ててよかったと思った。水温はちょっと深くなるごとに低くなって体が冷える。そして、それは不安に直結する。

 不安を感じると水中は楽しいものと思えなくなり、ふるえも止まらなくなるとダイビングは即刻中止。女性はとくに、冷えについては万全にしたほうがいいと思う。(これは他のショップの女性スタッフも言ってたなぁ。)フルスーツにはもう一つ利点があります。それは、初心者は浮力調節が甘いため、岩場や珊瑚などでけがをすることが大いにありえるため、怪我から身を守るという点です。

 たまにテレビで、外国のダイバーが水着の上にそのままBCを着て潜ってたりするけれど、とくに水温が高かったというのもあるんだろうが、日本人よりも白人は脂肪の率が高いから、寒さをかんじにくい・・といううわさも。まさか、お金がなくてウェットスーツをけちったふうには見えなかったので、うなずける話。ウェットスーツは保温とそして怪我防止。スーツに守られているのはダイバーもガンダムも同じ。

師匠による本日のデモ演は。

 さて、本日の実習課題最初のお題は【フィンピボット】これは何か。

 水中を行く場合、珊瑚を傷つけたり岩にぶつかったりしないように、ある一定の浮力を保ちつつ進む。これは初心者にとってなかなかにむずかしいことで、しょっちゅうBCに空気を入れたりまたは出したりしないと、保てずブワーッと浮上してしまったり、逆に水底にハラから着底してしまったりする。ましてや珊瑚の上で着底してしまうことは、珊瑚を傷つけることになってしまう。珊瑚を10センチポッキリ折ると、四半世紀分ポッキリということだぁ!珊瑚の歴史が・・・。 

 それに、BCにしょっちゅう空気を入れていては吸う空気としては、もったいない。フィンピボットはこの中性浮力を保つための最初のトレーニング。さあ、デモが始まった。ググッとよく見る。

 師匠はフィンの先を水底に付け、そこを軸にうつ伏せからフワリと起きあがり、そしてまたうつ伏せへとフワリフワリと何度も繰り返した。それは、つま先だけで腕をつかわず腕立て伏せをしている感じ。これを肺呼吸だけでやっているのだ。

 うつ伏せで息を吸うと肺が膨らみ体は浮く。浮いたら息を吐く。そうすると、体は沈む。これをくりかえすことで、肺呼吸のみで微細な浮力調節ができるようになる・・・なるわけだが、はっきりいってむずかしい。わけわからん。
きっと、これはこれからの経験で体得していくものなのだろう・・・

 さらに、高度な技へとつづく。【水中ホバーリング】

 うそみたいな話だが、つつけば(つつかなくとも)イソギンチャクも揺れる海の中で、そこだけ時が止まったかのように師匠は、水中でピタリと静止している。グレーの瞳は一点を見つめ、この世を見ていないようだ。
まっちろ。ひげにはそう見える。

師匠がまっちろ。魂が抜けている。

ウラウラと流れに身を任すだけのひげ。ピタリと止まって微動だにしない、師匠。

  どのくらい時間が流れたろうか。
この不思議な光景に見とれている間に、師匠が帰ってきた。こっちの世界に。そして、わさわさと動きだし”ダイバーせんせい”にこう書いた。

「(はい やってね)」

 できるかーっ!
がやらねばならぬ。ジタバタと、動かしてはならない手足を使ってもむずかしい。

 中性浮力。これは本当に経験がものをいう。実際水中で、うまいダイバーかそうでないかはこれでわかってしまうほどだ。

IMG_1395.JPG昨日に引き続き「せんせい」登場。陸でも水中でも使い方はかわらず。

予定最大深度
エントリーをする前には船上などで必ず、インストラクターさんやガイドさんとブリーフィングといって打ち合わせをします。エントリーとエキジットの方法、今から潜るポイントの説明、潜る時間と最大深度、残圧(空気の量)がどのくらいになったら戻り始めるか等の話を聞きます。この時自分にはこの深さは無理そう、恐そうと思ったらちゃんとその旨を伝え別のチームに変えてもらったりすることも、大事なことではないかと思います。船の上だったらまだいくらでも取り返しはつくもんね。